疲労を「抜く」と「ごまかす」の上手な使い分け方

疲労を「抜く」と「ごまかす」の上手な使い分け方

こんにちは。
ランニングショップHolosの小谷です。

先日のブログでは「質の良いスピード練習を継続するためには、疲労を分類してその原因に応じた対策をとるのが効果的」というお話をしました。

まだ読んでいない方はこちらのブログからご覧ください。
『スピード練習を継続できる。疲労原因によるサプリの使い分けテクニック』

今日は前回に引き続き、中枢性疲労について更に深堀りしていきたいと思います。

今回の内容を理解することで、より良いトレーニングを継続してレベルアップできるようになったり、大会で自分のポテンシャルを最大限に発揮できるようになるので、是非ついてきてくださいね。

中枢性疲労を理解する2つの分類

前回の復習になりますが、中枢性疲労は次のように2つのタイプに分けて考えると分かりやすくなります。

1.脳疲労・精神的疲労の蓄積

脳疲労・精神的疲労の蓄積:
ストレスを感じたり、自制心を発揮したり、頭脳労働をしたりすると蓄積する。
蓄積すると身体的にも頭脳的にもパフォーマンスが低下する。

これに関連して、アメリカの心理学者ロイ・バウマイスターらが行った面白い実験があります。

空腹状態にさせた被験者を

①お菓子を食べられるグループ
②お菓子の臭いを嗅ぎながらも、苦い野菜しか食べられないグループ

の2つに分けます。

お菓子(or野菜)を食べた後、被験者は絶対に解けないパズル問題をさせられます。

実験ではこのパズルにどれだけ粘り強く取り組むか、その時間を計測しました。

すると、①のグループが平均20分パズルに取り組んだ一方で②のグループはわずか8分程度で辞めてしまったそうです。

これは、②のグループの人は「お菓子を食べたい」という欲求に負けないように自制心を発揮したことで中枢性疲労が蓄積したからと解釈できます。

きっと、②のグループの人は走らせても、すぐに疲れて脚を止めてしまうでしょうね。

私たち市民ランナーの練習も同じように仕事などで生じたストレスや認知的負荷の影響を受けています。

走っているときには肉体的な疲労と勘違いしやすいのですが、実際には脳の疲労なので、走るのを休んでもそんなに回復するものではありません。

「良い気分で元気に走りたい」「良い練習を継続して力をつけたい」という方はこの疲労の存在を認識し、必要に応じて適切なケアをすることがポイントとなるでしょう。

2.体の安全装置としての機能

体の安全装置としての機能:
走っている最中、走りすぎて体が壊れないように脳が肉体的な限界の前にブレーキをかける機能。

①脳から筋肉への運動指令(電気信号)が低下して筋出力が弱まる
②主観的に「疲れた」という感覚を生み出し運動を辞めさせようとする

という2つの働きが知られています。

この安全装置としての機能は、私たちが安全にスポーツを楽しむためには欠かせないものです。

しかし一方で「記録を目指して頑張りたい」という時にはこの働きを安全な範囲で抑制したいという気持ちがあることも事実でしょう。

マラソン後半における筋出力の低下の最大の原因は筋肉の疲労ではなく、脳の疲労である可能性も最近の研究から明らかになってきています。

関連ブログ『マラソンの失速の原因、実は脳の疲労が〇%』

中枢性疲労の対策で使える2つのサプリ。それぞれの違い。

中枢性疲労に有効とされている成分をブレンドしたサプリとして、私はCatalyst SpiritsとCatalyst Zoneの2つのサプリを開発しました。

この2つは何が違い、どのように使い分けると良いのかを解説していきます。

  • Catalyst Spirits:前項の「脳疲労・精神的疲労の蓄積」にも「体の安全装置としての機能」にも有効。中枢性疲労への耐性を高めることで回復力をアップする。
  • Catalyst Zone:前項の「脳疲労・精神的疲労の蓄積」にも「体の安全装置としての機能」にも有効。一時的に中枢性疲労によるパフォーマンス低下の影響を小さくする。
    Catalyst Spiritsのように中枢性疲労の根本的な回復を促すわけではありません。よって、使い続けることで中枢性疲労に強くなるわけでは無いため、使用後は十分な休養が必要となります。

つまり、Catalyst Spiritsは「疲労回復」「能力強化」「根本的な解決」であるのに対し、Catalyst Zoneは「即効的なブースト効果」ということです。

この違いは成分のエビデンスの例を見ると納得しやすいかもしれません。

例えば、Catalyst Spiritsの成分の1つであるロディオラロゼアは継続的な使用によって中枢性疲労への耐性が高まるエビデンスが近年報告されています。

エビデンスでみる、ロディオラロゼアとカフェインの違い

ロディオラロゼア(和名:イワベンケイ(岩弁慶))

タイトル:Effect of Rhodiola rosea intake on endurance exercise capacity
De Bock et al., 2004(ベルギー)

概要:
被験者:男性18名(健康なアマチュアスポーツマン)

条件:
ロディオラロゼア(200mg/日)を14日間摂取したグループ
プラセボグループ
に分けて比較

試験内容:自転車エルゴメーターによる持久力テスト

評価指標:運動継続時間、酸素摂取量、心拍数、RPE(主観的運動強度)

結果:
ロディオラ群はプラセボ群に比べて運動継続時間が顕著に延びた(平均+3分程度)。
運動後の主観的疲労感(RPE)が有意に低下。

結論:
ロディオラロゼアには中枢性疲労の蓄積を抑える作用があると考えられる。主たるメカニズムはセロトニンの作用調節による可能性がある。

---

一方でCatalyst Zoneの成分の1つであるカフェインは継続的な使用で能力が向上するという研究は乏しい(おそらくその効果は無い)ですが、飲んですぐに一時的にパフォーマンスが向上することは多くの研究で示されています。

カフェインは脳内のアデノシン受容体をブロックすることで眠気や疲労感を感じにくくし、ドーパミンの働きを強めることでやる気や集中力を高めることが分かっています。

疲労を「抜く」と「ごまかす」を使い分ける

サプリメントの成分はこのようにそれぞれ特徴があります。

その違いをきちんと理解して、開発ポリシーにあった使い方をしないと「期待した効果が得られない」と残念な結果になってしまいます。

逆に特徴を正しく理解して、正しい方法で使用すれば、科学的な検証を経た有効成分の恩恵を受けられる確率はずっと高まるでしょう。

Catalyst Spiritsはロディオラロゼアをはじめとした「耐性を高める」「能力を高める」タイプの成分をブレンドしています。

よって、日常的に継続して摂取していくことで、より良い練習ができるようになったり、日常的に感じる疲労感を軽減したり、レースでより集中して肉体的限界にも迫れる走りができるようになることを狙いとしています。

Catalyst Zoneはカフェインをはじめとした「即効性」タイプの成分をブレンドしています。

レース当日で自分の持っている力を最大限に発揮したり、重要なポイント練習をしっかり走って自信をつけたりという狙いで使用します。

違いが分かりやすいお客様の声

最後に2つのサプリのお客様レビューを引用しようと思います。2つの違いが分かりやすく語られたものです。

Catalyst Spiritsレビュー(じと さん)

『ウルトラマラソンを少しでも楽に走りたいと思い購入しました。
出場する大会の2ヶ月前から朝5粒、夜5粒飲みました。

飲み始めて約1ヶ月くらいで体の軽さを感じるようになりました。
特にインターバルなどのきつい練習をしても気持ちが途切れる事がなく、また翌日も足の重さがほとんど感じませんでした。

大会当日も気持ちに余裕を持って臨む事ができました。
いつもなら60キロくらいで気持ちが途切れるのですが、気がついたら90キロを過ぎているという感じで最後まで集中して走る事ができました。』

  • 日常的な回復効果で良い練習ができるようになったこと
  • 中枢性疲労の耐性が高まりレース当日も集中力が維持できるようになったこと

という点にご注目ください。

Catalyst Zoneレビュー(TANAMI MASARU さん)
『ずっとLT値を超えて走り続けるレース(トレラン/ロード/ヒルクライムetc)や、高負荷ポイント練習のマストアイテムになっています。

特にメンタル面での効果大で、高負荷時に苦しい事には違いないのですが、その”苦しさからにげない強い気持ち”を長くキープできると感じています。』

即効で疲労感に対して強くなっていることが注目です。

Catalyst Zoneはドーパミン活性を高めるので「キツさ」に対して「頑張りぬこう」という気持ちになりやすいというのも特徴です。

Catalyst Spirits、Catalyst Zone、それぞれの特性を理解してうまく使い分ければ、きっとこれまでより快適なトレーニングやレースが実現できるはずです。

ぜひ一度、あなたの走りでもその違いを体感してみてください。

Catalyst Spirits(日常用サプリ)のご注文はこちら

Catalyst Zone(レース用サプリ)のご注文はこちら

ブログに戻る